「失語症者に対するボランティア養成講座」を実施して


福岡市立心身障害福祉センター
障害者生活支援相談室 吉田いく子

南区の障害者スポーツセンターと西区の西障害者フレンドホームでは、「高次脳機能障害リハビリ教室」を実施しています。
この教室はSTやOT、PTなどが関わり、言語活動、手工芸、体操・スポーツ、学習会などを組み合わせた内容で行っています。

今年度は、失語症についての理解を深めようと、障害者スポーツセンターで、この教室に参加している失語症の方にも協力を得て、5回シリーズでボランティア養成講座を実施しました。
市政だよりでも募集したところ、定員10名に対し2倍以上の応募があり、関心の高さを感じさせられました。
また今回はグループ毎の演習、実習が中心で、早良病院STの佐々木さんと西部療育センターSTの浅田さんに内容の検討段階からご協力いただきました。

受講者はヘルパー、失語症者の家族、主婦、ボランティア経験者と様々で、受講後の感想は、「すぐに応用してみたら通じたので役に立った」「絵や地図などのいろいろな手段を使って、できるだけお互いが言いたいことを伝えられるようになりたいと思った」「失語症の言葉も聞いたことがなかったが、いろいろな症状と関わる方法があると分かった。もっと知りたいので時間が足りないように思った」などの声が聞かれました。
講座終了後に失語症のボランティア活動を希望される人も多く、既に活動を始めた人もいらっしゃいます。協力いただいた失語症の人にも喜んでいただけたようです。

限られた時間で失語症者との関わり方について伝える難しさを痛感し、課題もたくさんありますが、理解者を増やすことについて失語症者ご自身とともに考える機会となり、失語症者に対するボランティアさんの必要性を改めて感じました。
次も市政だよりで募集し10月から開始の予定です。