「高次脳機能障害のリハビリテーション」に参加して










鈴木勉先生



久留米大学リハビリテーションセンター 言語聴覚士 土屋知子

10月5日に行われた鈴木勉先生の『高次脳機能障害のリハビリテーション』に参加させていただきました。
前半は主に失語症、後半は記憶障害を中心とした高次脳機能障害の臨床に関する内容でした。
どちらも具体的な症例を挙げ、臨床場面のVTRや資料を豊富に見せていただき、わかりやすくお話しいただきました。

講義を受けて印象的だったのは、鈴木先生のようなベテランの先生でも日々訓練方法に悩み、試行錯誤しながら臨床を行っていらっしゃるということでした。
「〜〜という訓練方法は、本当に〜〜の能力の改善につながるのか?」「この患者さんは〜〜ができるのに、なぜ〜〜ができないのか?」「検査や訓練時の能力と会話の能力の差は何によるのか?」など、臨床を始めたばかりの私たちもよくぶつかる疑問に、疑問の立て方の緻密さや深さ、解決能力に大きな違いがあるとは言え、ベテランの先生方もやはり苦慮されているのだと知り、STの臨床という分野の奥深さを再認識しました。
まだまだ未解決の問題が多く、教科書や学術誌から知識を得るだけでは目の前の患者さんに充分に対応していくことのできない失語症・高次脳機能障害の臨床では、疑問に対して常に自分で考え続ける姿勢が必要であると感じました。
同時に、講義の中で先生が積極的に会場に意見を求めておられたことから、STどうし知恵を寄せ合うことの大切さについても教わりました。

具体的な訓練の技術だけでなく、STとしての姿勢についても学ぶことができた勉強会でした。

戸畑リハビリテーション病院 言語聴覚士 岡村大祐


今回の勉強会は「応用篇」でしたが、私は一年目の新人として講演を聞かせて頂きました。

言語聴覚士として臨床の場に出てから半年が経過し、その間だけでも多様なケースを経験させて頂きました。
その上で、自分には患者様の様々な症状の一つ一つを正確に見極める「目」を養うことが必要であると痛感しています。

講演では、訓練風景をビデオで拝見し、まず鈴木先生のフリートークにおける、一般的で中性的な話し方に驚きました。
私の場合、失語症や痴呆の方に分かりやすくということを考えるばかりに、全ての患者様に対してオーバーでわざとらしい話し方になっていたのではないかと反省し、患者様に最適な話し方を選択する必要があると感じました。
一方、インターネットを利用した教材作りは、新人の私にもできる技術の一つとして是非取り入れたいと考えました。

今回の講演では、その他にも多くの新しい知識、反省点があり、今後に活かしていきたいと思いました。