言語聴覚士(ST)とは
言語や聴覚に障害のある人々(言語聴覚障害児・者)に対して、障害された機能とそれによって生じるコミュニケーション障害を評価して、改善、維持、あるいは代償させるための訓練を行う国家資格のある専門職です。
近年、高齢化や交通事故の増加に伴い、言語や聴覚に障害を持つ人の数は増加の傾向にあります。また、言葉の遅れを持つ子供たちへの対策も十分とはいえません。こうした中で、医療機関をはじめ、教育機関、福祉機関など多くの分野で、高度な専門知識と技術を持った言語聴覚士の必要性が急速に高まっています。
言語聴覚士の対象となる障害
- 聴覚障害
- 生まれつき聞こえにくい先天性難聴、大人になっての失聴、老人性難聴などがあります。ことばやコミュニケーション、補聴器、人工内耳に関してお手伝いをします。
- ことばの遅れ
- ことばだけの問題もありますが、知的障害、自閉症、脳性麻痺など発達上に問題があることが多いです。発達全体を見ながら能力を十分 発揮できるようにお手伝いをします。
- 音声障害
- 声が出ない、出しにくい、かすれるなどの症状をお持ちの方に対して楽に声を出せるようお手伝いをします。
- 構音障害
- 発音の発達の遅れ、口唇口蓋裂、脳卒中の後遺症などのためにコミュニケーションに支障をきたしている方のお手伝いをします。
- 吃音
- 繰り返し、引き伸ばし、詰まって出ない、といった どもる症状のためにコミュニケーションに支障をきたしている方のお手伝いをします。
- 失語症
- 大脳の言語中枢が侵されたために、ことばを理解することや自分の気持ちをことばにして表現することが困難になります。このような方に対してお手伝いをします。
- 高次脳機能障害
- 注意力や記憶力が低下したり、目的の行為や動作ができなくなったなどの症状がある方のお手伝いをします。
- 摂食・嚥下障害
- 食べ物が飲み込めない、食べる度にむせる などの症状を示します。この障害は様々な疾患で生じ、高齢者にもみられます。医師や看護師など多くの職種とチームを組んで食べることへのお手伝いをします。